狐は境内のどこかにいるはずだったが、日も暮れてきたので俺たちは一旦屋敷に戻ることにした。
「つまりは、被害が改善されればよろしいのです。悪戯程度では警察も動きませんからな、とにかくこの休みのうちに何か変化があれば、そこからまた策を練りましょう」
「変化があっても無くても、俺ァ休みが終われば向こうに帰るぜ」
「……それは御前様と御相談なされ」
 屋敷の門が見えてきた。こんな田舎には似合わない黒塗りの車が何台か停めてある。俺たちが屋敷を出た時には無かったはずだ。しかし見覚えはある。叔父叔母、従兄弟どもが揃いも揃ってやってきたのに違いない。
 その後大広間で繰り広げられた無礼講の宴会はそりゃあ凄まじいものだった。
 上座の親父はにっこにこしながら俺に大学生活のことを聞き、その横でおふくろは静々と酒を飲み続け、従兄弟の成実を筆頭に舞が始まる。太鼓や三味線まで出てくる。小十郎は笛を吹かされる。
 ああそうだ、俺んちはそういえばこんなんだった。これがGW中ずっと続くのは目に見えている。楽しむ時は楽しみなされがモットー、今時正月もきっちり七日まで騒ぎ続ける家だ。俺は小十郎が一曲終えたところで、耳打ちした。
「ちょっと抜け出す。あとのフォロー頼んだぜ」
「……政宗様は、今まであなたのフォローをし続けてきた小十郎の苦労がおわかりですか」
「ああ、よくわかる。だがこれもわかってくれ。俺がこんなふうに頼れるのは、お前だけなんだよ」
 小十郎はすっくと立ち上がり、好き勝手に楽しむ有象無象の家族どもに向かって、「さればこの小十郎、これまで秘密裏に練習したとっておきの芸をお見せ致しましょう」と言って注目を集め、歓声が上がったところで俺に抜け出すよう顎をしゃくった。小十郎も案外わかりやすい。
 外へ出ると、爽やかな五月の風が肌に心地よかった。空を見上げれば都会では終ぞ見られなかった、懐かしい満天の星空だ。欠けた月は朧だった。俺はうんと伸びをして、今日の出来事を思った。
 祟りなど関係無しにさっさと帰ってやろうと思ったのは本当だが、妙にあの狐が気になるのも本当だ。もしかすると大学の講義なんかより数百倍おもしろいかもしれない。だが、ああもひょいひょい消える相手を一体どうしたらいいのか。
 俺は畦道を歩いた。ガキの頃もよく宴会を抜け出して、この道を歩いたものだ。今までいた騒ぎが嘘のように静かなでこぼこの道が、一番郷愁を齎す。
 そういえば、あいつはどうしただろうか。
 家から大分離れた。雑木林を後ろにして、道の端にひっそりある小さな祠に気付き、足を止めた。今では誰もお供えをしていない祠は、苔が生え放題になっていた。
 たった一度、ここで妙な男に会ったことがある。まだ十かそこらの時だ。以来気になって何度も足を運んだが、その男は二度と現れることがなかった。口ぶりや身形からして土地の人間ではないらしかったが、俺の思い出の片隅にはいつもその男がいる。何を話したのかまでは覚えていない。ただただ、印象的だった。
「その祠ん中に、なにがあるか知ってる?」
 背後からの突然の声に、俺ははっとして振り返った。見知らぬ細身の男が、口元に笑みを浮かべて悠然と胡坐を掻き、道に座り込んでいる。
 夕日のような奇妙な髪色に、小十郎がいつも着ている作務衣に似た形の、深緑の着物を纏った男の頬には、筆で書き殴ったようなペイントがあった。……怪しい。
「さあな」
「知らないなら教えてあげるよ。そん中には、あの木の枝を炭にしたものが入ってる。あの木には俺の念が宿ってるからね、こういう風に使えば、案外重宝するってわけだ」
 緩慢な動きで立ち上がった男は、芝居がかった仕草で述べる。まだ青年と言ってもいいくらいで、年齢は俺とそう変わらないようだ。よく見ると、瞳の色まで深い緑だ。カラーコンタクトだろう。この町で、こんな趣味の人間は確かいなかったはずだ。……というか何を言ってるんだこいつは。
「そうか。……さっさとお家に帰ったほうがいいんじゃねえか?もう遅いぜ」
 触らぬ神、不審者にはになんとやらだ。俺は踵を返して、もと来た道を帰ろうとした。が、防がれる。さっきまで俺の反対側にいたはずの男が、目の前にいたのだ。不機嫌そうにしながら。
「あんたなんか嫌いだ!」
「……なんつう告白だよ」
 一目惚れがあるんだから、一目で嫌いになる現象ってのもあるかもしれない。苦笑いするしかなく、俺はさっさと男を振り切ろうと足を踏み出したのだが、やはり次の瞬間には男が行く先を塞いでいる。
 ……だからなんなんだよ。
「わかったわかった。わかったからどけ。な。嫌いな顔をそういつまでも拝んでたくはないだろ」
 宥めるように言ってやったが、男は俺の言葉に微塵も関心がないらしく、むしろますます眉を顰め、びっと祠を指差した。
「あれはあんたが作ったんだろーが!」
「ハァ!?」
 そんな欠片も身に覚えのないことを言われても困る。あれは俺が生まれる前からあるはずだ、多分。だめだ、こいつ。話が全然通じない。仕方がないので、俺は走り出した。こうなったら足技だ。
「……ってなんでついて来んだよ!!」
「あんたが逃げるからだろー!!」
 陸上大会で県代表に選ばれたことのある俺の俊足にも関わらず、男は平然と(いや、猛然と?)ついて来る。しかし足音がしない。げっ、こいつ浮んでやがる。見間違いかと思って思わず目を擦ったが、残念ながら現実は厳しいらしい。しかし昼間の出来事のおかげで、少し耐性がついている。俺は急停止した。
「てンめえ!昼間の狐かァ!化けて出やがったな!!」
「ぐえっ!!」
「うおっ!?」
 別に俺の剣幕に怯えたわけではなく、狐は突然何か、壁にぶつかったようにして弾かれたかと思うと、地面に派手に転がった。しかしすぐに狐は起き上がる。そして、俺に爪を向けた。身構えたが、その爪が俺の身体に届くことはない。
「んがああああ…!!!」
 狐は命一杯力を振り絞っているように見えたが、まるで空気中に決して突き抜けることのできない粘土があるかのように、一定の距離以上俺に近づくことができなかった。出来のいいパントマイムみたいな状態だ。なんかちょっとおもしろいな。危険がないらしいので身体の力を抜く。
 俺が見下ろしていると、狐はようやく諦めて、またぎっと俺を睨んだ。あーもうなんだよ。
「もう一度聞くぞ。お前、昼間の狐だろう。どうやらこっから先に進めないみてえだな?」
「狐、狐とうるさいんだよ!あんたはそんなことも忘れちまったのか!」
「……ほんとに話の通じないやつだな……」
 つい溜息が出る。しゃがみ込んで、狐と同じ目線にした。…尻尾が見える…。やっぱり狐なんじゃねーか。昼間の通り九つの黄金色をした尾が、俺は怒っていますと言わんばかりに機敏に揺れている。
「おい、せっかくだ。きちんと事情を話し合おうじゃねえか。昼間みたいに勝手に消えるのは無しにしてもらうぜ、あんなのフェアじゃねえ」
 狐はぺっと唾を吐き捨てた。
「はっ、そういう所はそのまんまなわけね。反吐が出ら!あんたなんかと話すことは何もねえよ」
「あのなあ、一体お前は誰と俺を取り違えてんだ?俺は奥州伊達家の長男、伊達政宗だぜ?」
「ああそうだ、あんたに間違いないね。けどあんたは政宗さんなんかじゃない。ちくしょお、あんな約束してやるんじゃなかったよまったく!」
 酷く矛盾したことを言う。しかし伊達政宗と言えば、この世にはかつてもう一人存在した。それに「約束」とは、遺言にもあった言葉だ。……ふうん。少し見えた。
「お前とその『政宗さん』とやら、一体どんな約束をした?神社のある山から出ないってことか?それとももっと別に、言い交わしたことがあるんじゃないか?」
 狐は突然、意地の悪い笑みを浮かべた。すると案外俺よりもずっと年上に見える。
「さあねえ?知りたいなら、それ相応のものをもらわなきゃね。もっとも、今のあんたなんかこれっぽっちも魅力的じゃないけどさ、この裏切者」
 出た、裏切という単語。この狐にとっては最大級の罵倒なのだろうが、生憎身に覚えがないので痛くも痒くもない。俺はフンと鼻を鳴らした。こいつは多少俺を知っているようだが、どうやら今みたいな挑発に対してどれほど俺が捻れるかは、わかっていないらしい。
「それなら最初から捨て置けばいいものを、てめえは律儀に俺を追いかけるじゃねえか。悪戯だって、俺をこの土地に引き戻すためのものだと解釈できるな。俺を困らせたいんだとしても、結局てめーは俺が気になって仕方ないってわけだ。そういえば最初、お前は随分俺に懐いてたじゃねえか。あの時はまだ、俺はお前の中で『政宗さん』だった、てことだろ?子供っぽい意地を張って、本当は俺に構ってほしいだけに見えるぜ、狐」
「なっ…!」
 ほらみろ図星だ。人を化かすわりにはこいつもわかりやすいな。狐の驚きだか羞恥の混じった怒りだか知らないが、その様ときたら、人間の姿だというのに全身の毛が逆立っているのが目に見えるようだ。というか尻尾の方はもっと素直にぶわっと膨れ上がっている。猫か。
 もう一押ししてやれば、洗いざらい吐くんじゃないか、こいつ。
「まあいい、とりあえずは、だ。お前に悪戯をやめてもらわねえと、俺ァおちおち学生生活も送れねえんだ。そのかわりお前の望みを聞いてやる。もちろん俺にできる範囲内でな。どうだ、乗るか?」
 逆立っていた毛が一気にしゅんとなった、ような気がした。耳があったら力なく垂れているところだろう。現に目に見える幾房もの尻尾は、音もなく地面に落ちた。「美青年」と言っても無理は無い整った顔から、表情がなくなる。その目が悄然としている。
「……なんだよ。どうした」
「なんで」
「……は?」
「……教えてくれよ」
「……なにをだ」
「俺はいつになったら、あんたに望まれるんだ」
 狐の声は、最初のツンケンした様からは想像もできないほど弱々しく、痛ましいとすら感じた。
 じわじわと狐の身体が溶け、地面に広がっていった。まるで血溜まりだ。最後の尻尾の一房まで溶けきると、どろどろの液体は光の粒になって、ふわりと空気に飛散した。緑の発光体は、蛍を連想させた。
 しばらくぼんやりしてその場に座り込んでいると、小十郎が迎えにやってきた。気付かなかったが、随分時間が経っていたらしい。不自然な俺の姿に、小十郎は心配そうに尋ねた。が、それよりもまず確かめたいことがあったので、説明を後回しにして逆に尋ねる。
「小十郎、今まで悪戯のあった場所を地図で確かめたい。今すぐだ」

「市役所からこの道を行った四辻で一件、原田家の敷地内で一件、あとは……」
 ここのところの悪戯をなにか関連性のあるものとして見ていた小十郎は、律儀にも一つ一つの事件をいちいち調書にしてまとめていた。
 伊達家屋敷のすぐ隣には、片倉家本家の屋敷があり、その屋敷には片倉家の役目柄、この土地に関する資料を一所にまとめた部屋がある。俺は古びた木の机で小十郎と頭を突合せながら、小十郎が言うとおりの場所を地図で確かめ、印をつけていった。
 小十郎がチェックした悪戯は全部で二十六件。確かに異常な数だ。赤い斑点が地図上に増えるに従って、そこにある規則があることに気付く。一つ一つの斑点は、全部で五つの塊になるのだ。
「政宗様、これは…?」
「くだらねー事件だし、脈絡もねえからお前でも見逃すだろうな。……今日はもう遅いから無理だが、明日外へ出るぞ。俺の推測が正しけりゃ、絶対に見つかるはずだ。……運がよけりゃ、狐にも会えるかもなァ?」
「遺言が狐のことを指しているとすれば、あの狐は山より降りることは叶わぬはずです」
 俺はにやりとした。
 そうだ、あの遺言は狐のことを指している。だが実際俺は山ではない場所であの狐に会った。
「妖怪相手だ、なんでもありなんだろうよ。明日を楽しみにしてな」

 翌日、早朝から家を出ようと玄関に手をかけると、後ろから静かで恐ろしい声が聞こえた。つい硬直する。
「お早う政宗。昨晩は楽しんだかしら?」
 なぜか無言の圧力を感じる。ゆっくり振り返って、早くも藍色の浴衣を着たおふくろに挨拶をする。しないと後が怖い。おふくろは笑顔だったが、目は笑っていない。
「皆様がお帰りの時に、肝心の次期当主が席にいないなど…政宗、貴方はこれまで何度母の顔に泥を塗りましたか?小十郎にあんなおもしろい芸をさせて目を引いて、その内に…など…」
 ぷっ、とおふくろが思い出し笑いをした。……一体小十郎は何をしたんだ。
「……言い訳させてもらえば、やりてえことがあったんだよ。抜け出したのは悪いと思ってる」
「政宗は母が嫌い?」
 そうだった。この女も人の話をあまり聞かない。俺はぐっと息を飲み込んだ。この質問にばかりは答えないと仕方がないのだ。
「まさか。そんなこと思ったこともねえ」
「本当?」
「本当だ。俺はおふくろが好きだ」
 確か俺は十八歳のはずだ。寒い。自分が寒い。だが下がっていく俺のテンションに比例するように、おふくろは今までの険悪な雰囲気を打ち払い、ぱああ!と効果音がしそうな勢いで俺に飛びついた。首がしまる。
「母は、母は政宗が都会へ出てどれほど心許なかったことか…!久し振りにお前を見て、心を乱してはならぬ…と思えば思うほど、自分を抑えきれなんだ…かわいい私の政宗!ああ、もう離さない…!」
 それは困るので、俺は適当にわかったかったとおふくろを宥めたが、それで離してくれるようなおふくろではない。俺が無理矢理玄関を出ようとすればそのままずるずると俺の身体にぶらさがって引き摺られていく。これは冗談か?本気か?そんなの俺は知らない。
 引き剥がそうと努力する結果、いつも最後は押し相撲状態になる。朝っぱらから玄関先で騒がしい母子を、小十郎が門の外から冷ややかな目で見ていた。するとおふくろはぱっと力を抜き、俺は前のめりになった。……助かった。
「あら、お早う小十郎。政宗に用事?」
 小十郎は遠くからこくりと頷いた。なんだその態度は。いつもはきっちり「おはようございます御前様」つって挨拶するだろうが。
「ちょっと小十郎と出てくからな」
「お夕飯は?」
「家で食べる」
「そう。いってらっしゃい」
 おふくろは小十郎に微笑みかけて、しずしずと屋敷の奥に戻っていった。いつもこれくらい普通なら、俺だって家を邪険にはしないんだ。過保護を通り越して、何か執念らしきものを感じる。
 小十郎はいつもの軽トラを用意して待っていた。乗り込む時に、ちらりと冷たい…生温かい?生ぬるい?視線を浴びせられる。
「言いたいことがあるなら言いやがれ」
「いえ、なにも。仲良き事は美しき哉」
 俺は舌打ちをした。

 町はそんなに広くない。もともと山に囲まれて閉塞された土地だ。目当ての場所を全部まわるの自体は、数時間で済んだ。
 五つの塊のうち、最後の一つは例の山の麓に最も近い所だった。草木が生え放題になっている平地のまわりには、ぽつぽつと家がある。俺達はその辺りを歩き回って、ようやくあるものを見つけた。
「またありましたな」
「ああ、ビンゴだ」
 これまでまわった五箇所の近辺には、必ず祠があった。一つはもちろん俺が昨晩狐を見た場所だ。古びて誰からも構われなくなっているということも共通しており、ともすれば半壊しているものもあった。ここの祠は、まわりを草木に囲まれているわりには比較的いい状態で保存されている。
 俺は慎重に祠に手を伸ばし、細い糸と紙垂で封印された小さな扉を破り、さらに厳重に札を貼られた小箱を取り出す。構わず蓋を取り去ってしまうと、苔染みた色の袋が出てくる。完全に封をされているので、持参した鋏で端を切り落とした。最後に出てきたのは、一本の炭だ。丁度掌に収まる程度でしかない。
「本当によろしいのですか。これで最後ですが……」
「よろしいさ。これも前の分とまとめろ。屋敷に持って帰って、俺が処分する」
 俺は炭を袋に戻し、小箱と一緒に小十郎に手渡した。同じように小箱に封印された五本の炭も既に回収済みだ。神職という立場のせいだろう、小十郎はあまり気持ちのいい顔はしていない。だが小十郎とて、一刻も早くタチの悪い悪戯を止めたい人間の一人なのだ。
「これで狐は町に下りてこられないはずだ。……多分な」
 この土地に点在する六つの祠。その全てに、狐の言った通りの炭が納めてあった。狐木の枝と見て、ほぼ間違いないだろう。そして悪戯の全ては、この祠付近で起きている。大体半径二百メートルというところか。
「それがすなわち、狐の行動範囲。ただし強制的なもんだな」
 俺は屋敷へ帰る道を軽トラックに揺られながら、小十郎に説明した。強制的、という推測は、俺が昨晩見た通りだ。狐は何か強い力によってその行動を制限されている。
「例の約束、ですか」
「さあな。だがその可能性は充分ある。……むしろこれは例外的なことじゃねえかと思ってるんだがな。遺言を信じるなら、政宗公が狐と交わした約束は、『山を出ないこと』と、『境内では悪さをしない』ってことだ。だがそれだけじゃ狐の行動の辻褄が合わねえ。実際に狐は山を下りて悪さをしてる。けど、例外があったらどうだ?基本原則はさっき言った通りだとして、例えばその前文に、『ある特定の場所を除き、』とあったとする」
「それが祠から半径二百メートル以内の場所…と。そこは最早境内ではないから悪さもできる」
「That's right.言ったろ、相手は妖怪だ。自由自在に消える。この炭を依り代にして、そうだな…テレポートかワープみたいなことくらい、やってのけるんじゃねえか?まあ、どうして政宗公がそんなややこしい約束を取り結んだのかはわからねえがな」
 俺はポリ袋に回収した箱の内から、炭を一本取り出した。見事な漆黒をした炭は、政宗公の時代からのものとは思われないほど照り輝いている。これにあやしの力が篭っているとすれば、その輝きなのだろうか。
「とすれば、余程強い力があるのですな」
「What?狐にか、炭にか?」
 いいえ、と小十郎は頭を振る。
「その約束に、です」
 俺はなぜかその言葉がひどく引っかかった。